監査請求書本文-パートナーシップ宣誓制度

茨 城 県 職 員 措 置 請 求 書

知事に関する措置請求の要旨

1 請求の要旨
① 概要
イ.茨城県で導入されたパートナーシップ宣誓制度(以下、本制度とする)に基づき茨城県営住宅に入居した同性パートナーに対し、使用利益相当額の不当利得返還請求権を行使すること。

以後の本制度に基づく、同性パートナーに対する県営住宅入居許可の差止。

ロ.パートナーシップ証明書受領者に対する証明書の返還請求権を行使す
ること。

以後のパートナーシップ証明書交付の差止。

 

② 主体
茨城県知事、大井川和彦殿(以下、知事とする)。

 

③ 財務会計上の行為(監査対象事項)
イ.パートナーシップ宣誓制度に基づくパートナーに対する県営住宅への入居許可。
県営住宅への入居許可は、実質的には賃貸借契約締結であり、財務会計上の行為に当たる。

ロ.パートナー証明書の交付。

 

④ 違法性の理由
イ.地方自治法第14条2項違反
地方自治法第14条2項は、条例よらなければならない場合について「義務を課し、又は権利を制限する」場合と規定する。本制度は、確かに県民に義務を課し、権利を制限するものではない。

しかし、地方自治法第211条がいわゆる財政民主主義を規定する趣旨からすれば、地方自治法第14条2項は、少なくとも県民に対し財産的権利ないし利益を付与する場合にも、条例によるべきことを求めるものというべきである。

実質的にも、言うまでもなく県の財源は有限である。財産的権利利益の付与を拡大するときは、防災、福祉、教育などの予算が制約を受け、県民の権利利益が侵害ないし制約されるものである。県政への民主的コントロールを通じた県民の権利利益保護という地方自治法第14条2項の趣旨は同じく妥当する。

この点、本制度は、これにより低廉な県営住宅に入居することが可能となるものであり、県民に財産的利益を付与するものである。

とすれば、本制度は要綱ではなく条例で定めるべきものである。

以上から、本制度に基づく入居許可は地方自治法第14条2項に反する。

 

ロ.茨城県県営住宅条例第6条違反
同条第2号は、県営住宅入居の条件として、「現に同居し,又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。)があること」と規定する。

この点、同性パートナーが「親族」に該当しないのは文理上当然である。

さらに、「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」は、その後に「その他婚姻の予約者を含む」と規定されていることからも、異性間であることを前提としているものであり、これに同性パートナーを含めることは条文の文理解釈の域を逸脱する。

憲法第24条が婚姻につき「両性」間でなされることを規定していることからも「事実上婚姻関係と同様の事情にある者」は異性間であることを前提とするというべきである。

以上から、本制度に基づく知事の県営住宅の入居許可は茨城県県営住宅条例第6条に反する。

 

ハ.茨城県県営住宅条例及び憲法第25条違反
県営住宅は、言うまでもなく入居できる世帯数に限りがある。

本制度により入居対象が拡大することで、本来、父親を失い子供を抱えた母親のように、やむをえない経済的、家庭的理由から低廉な住宅を必要とする世帯(県営住宅制度が、かかる世帯を想定していることは県営住宅
募集案内からも伺える)が入居できなくなる恐れがある。

本制度に基づく県営住宅入居許可は、やむをえない経済的、家庭的理由から低廉な住宅を必要とする世帯に、まず住宅を提供するという茨城県県営住宅条例、および、国民の生存権を保障する憲法第25条の趣旨に反し違法である。

 

ニ.憲法第13条違反
本制度は同性パートナーにつき婚姻と同様に取り扱うものであるところ、同性パートナーは両者に子供を作ることはできないが、養子を貰うケースがある。

しかし、同性婚を導入した外国では、同性パートナーが育てる子供に配慮して、公文書の「父親・母親」という表記を「親1・親2」に置き換えるという事態となっている。

日本でも同性パートナーシップ制度を認めれば、次いでこのような表記導入を初め、従来の家族概念を破壊する措置が導入されていくであろうことは明白である。

かかる措置等は、父、母、子で構成される家庭の幸福追求権を侵害するものである。

 

また、同性パートナーの養子となった子供にとっても、自身に2人の父親または母親がいることに困惑し、その心情、成長に悪影響をもたらされるものである。

現状でも夫婦が離婚した後、相手方配偶者に引き取られた子供への面会には制限がある。その理由の1つとして、相手方配偶者が再婚した場合、子供が複数の父親または母親がいることに困惑し、その心情、成長に悪影
響をもたらすことを防止することが挙げられている。

かかる法律上の取扱に鑑みても、同性パートナーにつき婚姻と同様に取り扱う本制度は、子供の幸福追求権を侵害するものである。

以上から、本制度に基づき同性パートナーを婚姻関係にある夫婦と同様に扱い県営住宅への入居を許可することは憲法第13条に反する。

 

⑤ 生じた損害
イ.県営住宅の使用利益に相当する額。
本制度に基づく県営住宅への入居許可は違憲、違法なものとして無効である。

同制度に基づき県営住宅に入居した同性パートナーは県営住宅の使用権原はなく、県には使用利益に相当する額の損害が生じている。

この使用利益は、県営住宅設置の趣旨が該当しない以上、県営住宅と同条件の住宅の賃料相当額というべきである。

 

ロ.パートナー証明書相当額。
証明書自体は単なる紙面ではある。

しかし、これを受領することにより低廉な県営住宅に入居できるようになるものである。

すなわち、少なくとも、県営住宅の賃料と、同条件の住宅の賃料の差額相当額の財産的価値を表章するものというべきである。

その取扱は有価証券と同様になされるべきものであり、その交付により県に財産的損害が生じている。

 

⑥ 請求する措置
イ.県営住宅に入居した同性パートナーに対する使用利益相当額の不当利得返還請求権の行使。
ロ.以後のパートナー証明書受領者に対する、県営住宅への入居許可の差止。
ハ.パートナー証明書受領者に対する証明書の返還請求権の行使。
ニ.以後のパートナー証明書の交付の差止。

 

2 請求者
住所 那珂市3228-18
名称 日本第一党茨城県本部
本部長 (自署)原田陽子    (印)

住所 つくば市花畑3-11-3-303
氏名 (自署)金田圭介    (印)

上記,地方自治法第242条第1項の規定により,別紙事実証明書を添えて必要な措置を請求します。

令和1年10月24日

茨城県監査委員 殿

 

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